「もう、寂しいだけです」。福岡県大牟田市内の斎場で、親しい知人10人ほどで営まれた免田栄さんの通夜の席で、妻の玉枝さん(84)は声を震わせた。

 免田さんの無罪が確定した翌年に結婚。自由の身になった免田さんの鋭かった目つきが2、3年すると穏やかになったのが印象的だった。「拘置所で毎朝、扉の監視窓から死刑執行を告げに来ないかと見張っていた。だから目つきが鋭くなったんだ」と話していた。

 2017年秋ごろ、免田さんが急に歩けなくなり病院に入院。高齢者施設に移り、1年半ほど前からは妻の玉枝さんも同じ施設で暮らしていた。ビールと焼酎が好きで、施設でもつい最近まで飲んでいたという。ただ、今春からはコロナ禍で、外部からの面会が制限され、親しい友人も頻繁には会えない状況だった。玉枝さんによると、免田さんは亡くなる直前まで普段と変わりない様子だった。

 免田さんとの結婚は2人の兄に反対されたが、「結婚は間違っていなかったと思う」と玉枝さん。死刑制度廃止のフォーラムで、免田さんの海外での講演にも付き添ったことも思い出だ。「日本の死刑制度廃止を見ずに逝ってしまったことは残念」としつつ、最後は笑顔で「免田に会えていい人生でした」と語った。

 元大牟田市職員の川上洋さん(78)は免田さんが大牟田に移り住んでからの35年間、生活を支え続けた。

 免田さんは晩年、年金受給資格…

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