[PR]

 神奈川県茅ケ崎市の映画監督朴(パク)壽南(スナム)さん(85)が、これまでに撮影してきた在日コリアン1世ら約100人の証言映像を後世に残すため、映像を復元し、デジタルアーカイブ化する取り組みが進められている。朝鮮人の被爆者、徴用工、元慰安婦――。朴さんは「フィルムに収められているのは、1世たちの『恨(ハン)』だ」と話す。

 「坑内は37、38度で、暑くてのどが渇くし、苦しくてたまらなかった。食べるものは玄米が2割と豆かすが8割、イワシを鉄釜でまる炊きにしたもの。しょっちゅう腹をこわして弱っていた」

 デジタル化でよみがえらせた1985年の映像の中で、朴さんに語るのは在日1世の徐(ソ)正雨(ジョンウ)さん(故人)だ。朴さんによると、徐さんは14歳で長崎市の沖合にある端島(軍艦島)に連行され、その後、長崎市内の三菱重工業長崎造船所に配置換えになった。そして、45年8月9日、作業中に被爆したという。

 徐さんは映像の中で、こう言葉を続ける。

 「死んだほうがましだと思い、何回も海に飛び込もうとした」

 朴さんは三重県桑名市出身の在日コリアン2世。65年から在日1世への聞き取りを始めた。広島では、口を閉ざす朝鮮人被爆者らが暮らす「原爆スラム」に住み込み、失業対策事業の現場で地下足袋を履いてともに働き、証言を聞き出した。筑豊(福岡県)や軍艦島の炭鉱で働かされた人たちの話も聞いた。当時はテープに音声だけを録音し、著書で発表してきた。

 だが、取材を進めるうちに気付…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら