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 兵庫県尼崎市にある売り場約10坪の書店を舞台にした小説や映画が相次いでできた。下町の小さな本屋さんがなぜ注目されるのか。作家たちが描きたいと熱望した店主とは。

 JR立花駅北側の商店街のアーケードを抜けると見えてくる青いひさしの「小林書店」。手書きの紹介文を添えた本や雑誌のほか、品ぞろえ豊富な傘も店の売りだ。

 店主の小林由美子さん(71)と話をするために会う時は、「後の予定を入れたらあかんよ」と言われるのがお約束だ。「私よりすごい人はいっぱいおんねん。ただ、私は人よりだいぶおしゃべり。だから、相手の記憶に残りやすかったんちゃうかな」

 小林書店は1952年、小林さんの両親が始めた。小林さんは子どもの頃から本が好きで国語教員になるのが夢だったが、家庭の事情で断念。高校卒業後、ガラスメーカーに勤め、職場結婚した。子育てをしながら実家の書店を手伝った。

 夫の昌弘さん(75)が34歳のとき、関東へ転勤の辞令が出た。昌弘さんは家族との暮らしを優先して会社をやめ、夫婦で書店を継いだ。

 小林さんには、まちの本屋としてのじくじたる思いがあった。流通システムの現状では、新刊やベストセラーは大手の書店より届くのが遅かったり、少なかったりしがちなのだ。当時子どもたちに大人気だった「キン肉マン」も、タイムリーに入荷されなかった。

 そこで、出版社が力を入れる文…

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