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 たこ焼きの粉の専門店「としのぶさん家(ち)の粉」が大阪府寝屋川市にオープンした。各地のたこ焼きを食べ歩いた岡田尚起(なおき)さん(43)が、市内でたこ焼き店を営む久保田利信(としのぶ)さん(47)の味にほれ込み、「多くの人に食べてほしい」と口説き落として始めた。

 岡田さんは全国に収録スタジオをもつインターネットラジオ放送局の共同代表だ。たこ焼きが大好物で、講演などで全国を回りながら、食べ歩いてきた。初めて見た店は必ず味見し、3食ともたこ焼きという日もたびたびあるほどだ。

 2014年、なにげなく見かけた「たこ焼き」の看板を見て入った寝屋川市のたこ焼きバーで、岡田さんは衝撃を受けた。「生地が上品でクリーミー。何個でも食べられて、冷めてもおいしかった」

 味の秘密は、店主の久保田さんが20年以上前、3カ月かけて作り出した粉だ。にぼしの粉や卵白粉、調味料を独自に配合してある。「これまで食べたたこ焼きの中で最高の味」。岡田さんはすっかり店に通う常連になった。

 昨年9月、岡田さんは久保田さんから粉を分けてもらい、家で焼いてみた。すると、店で食べるのと同様においしいたこ焼きができあがった。「これを全国の人にも食べてほしい」。岡田さんは粉の専門店を始めることを思い立ち、久保田さんに持ちかけた。

 久保田さんも常々、岡田さんが語る「たこ焼き愛」に感心していた。「中途半端でなく、ほんまに好きなんやな」。粉の販売にゴーサインを出した。

 岡田さんは、久保田さんとともに共同代表を務める「57(こな)JPN合同会社」を設立した。昨年12月、インターネットを通じて販売を開始した。

 新型コロナウイルスの影響が広がった今年は、自宅でたこ焼きを楽しめるようにと、1千袋(計250キロ)を視聴者や知人らに無料で配った。「おいしい」「家で焼いて楽しかった」といずれも好評だった。

 クラウドファンディングで集めた約240万円の資金を元手に、今年9月、常設の店舗を寝屋川市田井西町にオープンした。「極(きわみ)」と名付けた粉は250グラムで税別680円と市販の一般的な粉より2倍ほど高価だが、久保田さんは「おいしさは5倍」と自信を見せる。ネット販売も好調で、11月は1トン近くが売れた。

 岡田さんは「たこ焼きは作る過程も楽しい。この粉で、食卓をユニバーサル・スタジオ・ジャパンのようなテーマパークにしたい」と意気込む。(堀之内健史)