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 性被害を告発した群馬県草津町の新井祥子町議(51)の解職請求(リコール)の賛否が問われた住民投票が6日に行われ、町の有権者は「解職」を選んだ。解職に賛成は2542票で有効投票の9割以上を占め、新井氏は失職した。当日有権者数は5283人で、投票率は53・66%だった。

 新井氏が黒岩信忠町長(73)から「町長室で性被害に遭った」と昨年11月に電子書籍で告白して1年余り。議会と町民を巻き込み、町を揺るがせてきた。

 黒岩町長は「事実無根のでっち上げだ」と否定し、新井氏らを名誉毀損(きそん)で告訴し、民事訴訟でも争う。町議会でもたびたびこの問題が取り上げられた。黒岩町長は「町長室のドアは開けてあり、副町長も同席していた。被害に遭ったというのなら証拠を出しなさい」と新井氏に迫った。

 新井氏は同県桐生市出身で、2011年に初当選。現在2期目で草津町議会唯一の女性議員だ。「告白したことは真実。裁判で明らかにする」としてきた。

 昨年12月議会では、新井氏と別の議員の2人が町長の不信任決議案を出したが賛成2で否決。逆に「破廉恥で、議会の品位を傷つけた」として賛成10で新井氏を除名処分にした。新井氏を支援する唯一の議員も懲罰動議で辞職を勧告されるなど、対立と混乱が続いた。別の議案を審議していたはずが、町長と新井氏の言い合いになる場面もたびたびだった。

 黒岩町長は「決定的な大差であり、町民の意思がはっきりと示された。草津町の尊厳が守られた。新井氏は議会で何ら説明責任を果たしておらず許せない。町民が『ノー』を示した」と語った。

 失職が決まった新井氏は6日夜、取材に対し「今回のリコールは理念に反する理不尽なものだ。私は権力者からの圧力におびえることなく、みんながいきいきと働き、生活できる町にしたい。黒岩町政に反対を訴えていく」と話した。町議は失職したが、町で政治活動を続けていくという。

 リコール運動を主導した黒岩卓議長(71)は役場で記者の質問に応じ、「圧倒的多数による大勝利だ。新井氏の発言はうそという審判を町民が下した」と満足げに語った。

 町選挙管理委員会によると、定数12の町議会は11月26日に1人亡くなり、新井氏の失職で欠員2となった。欠員3になると町議補選が実施されるという。(柳沼広幸、中村瞬、森岡航平)

草津町議新井祥子氏解職投票

賛成 2542

反対  208

 =確定得票