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 群馬県草津町で、町長からの性被害を告発した新井祥子町議(51)=無所属=に対する解職の賛否を問うリコールの住民投票が6日あった。即日開票の結果、賛成が2542票で有効投票の9割以上を占め、新井氏は失職した。当日有権者数は5283人で、投票率は53・66%だった。

 コロナ禍で奮闘している全国屈指の温泉地で起きた騒動。群馬県草津町の町民は何を感じたか。

 解職に賛成の住民は、黒岩信忠町長(73)からの性被害を告白した新井祥子町議(51)に対する違和感を口にした。

 「訴えが本当かどうかは分からないが、明らかに新井町議はお騒がせだと思う」と話すのは、土産物店の40代男性。「こちらは町長とのつながりもある。信じているので賛成」

 60代の整体師男性は「町長の言い分ははっきり聞いたから、間違いないと思う」。ただ、「新井町議の話も聴きたかった」とも。「県の審決で町議会の新井町議への除名処分が取り消された。(新井町議に辞めてもらうには)リコールはしょうがないのでは」

 30代主婦も「町長が街頭で訴えている内容を聴いて」賛成票を投じたという。

 一方、「弱い者いじめ」のように感じた人もいた。

 「町じゅうあちこちに解職請求を訴えるポスターが貼られ、選挙カーさながらに車が『解職』『リコール』と連呼して走っている。騒ぎすぎなんじゃないのか」。60代の運転手男性はいぶかる。

 「議員が言っていることが本当かどうかは分からないけど、他の議員が張り切って運動することだろうか」

 「町長の独裁みたいにみえる。町長を支える議員の人たちも」。50代のパート女性は、リコールというやり方に不安を覚えた。「真相は知らない。けれど、こんなことに私たちを巻き込まないでほしい」。投票用紙には何も書かずに投じたという。(寺沢尚晃)

住民投票に対する有権者の声

【解職賛成】

・「新井氏の言動が議会を混乱させた。活動報告の折り込みチラシでも町民を攻撃し、町や町民に迷惑をかけている」=自営業の男性(51)

・「新井氏の告発は理解できない。町長は事実無根だと詳しく説明しているが、新井氏は議会できちんと説明していない」=建設業の男性(72)

・「新井氏の言動は草津のイメージを低下させた。議会で説明せず、議員の責任を果たしていない。公職にはおけない。町民はバカにされたように感じている」=会社経営の男性(58)

【解職反対】

・「性被害を告発した人が解職されるなら他の職場でも解雇を恐れて声を上げづらくなる。権力者主導のリコールも一方的で、やるべきではない」=社会福祉士の女性(64)

・「町議選で新井氏に投じられた1票も大事だ。住民に問うのであれば1議員のリコールではなく、議会を解散して町議選をやればいい」=不動産業の男性(52)

・「新井氏と町長のことは裁判で明らかにすればいい。議会や町民を巻き込んでリコールをすべきではない。町民にとっては迷惑だ」=会社経営の男性(60)