【動画】ワーホリ労働者不足に悩む豪州の果物農園=ミワ・ブルマー撮影
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 オーストラリアの農業の現場から、頼りにされてきた働き手の多くが消えた。ワーキングホリデーで滞在する海外の若者たちだ。新型コロナウイルスの影響で続々と帰国し、新たな入国は認められていない。政府は地元の若者たちに「農園へ」と呼びかけるが……。(コフスハーバー〈豪南東部〉=小暮哲夫)

収穫待ち、熟しすぎた実

 シドニーから北に約500キロのコフスハーバー近郊。美しい海岸沿いから内陸に入った丘の斜面に果樹園が点々と広がっている。

拡大する写真・図版人手不足で収穫できず、実が付いたまま切り落としたブルーベリーの枝を手にするポール・サロさん=11月25日、豪南東部コフスハーバー、小暮哲夫撮影

 ポール・サロさん(32)のブルーベリー農園では11月下旬、100メートルほど続く木々の列の下に、数十センチの枝が切り落とされていた。実が付いたままだ。

 「人手が足りず、実が熟しすぎた。打ちのめされている」。表情は厳しい。

 南半球の冬から春に実をつける品種の収穫期が終わったばかりだ。翌年に向けた木々の剪定(せんてい)は例年通りだが、実が付いた枝を切ったことは過去になかったという。

 「ブルーベリーの実は傷みやすいので、必ず、人の手で摘み取らないといけない」。約9万3千平方メートルの土地に1万9千本を植えている。例年なら収穫に30~50人ほどを雇い、その9割を、日本を含むアジアなどから来たワーキングホリデーの若者たちに頼る。

 働き、学びながら外国で過ごせるワーホリの制度だが、今年は12~20人しか確保できなかった。給料は摘めた実の量に基づく歩合制で、例年は1キロあたり3~3・5豪ドル(約230~270円)の給料を3・5~4豪ドルにアップしたが、この人数を集めるのが精いっぱいだった。

 サロさんの知人の農園でも状況…

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