拡大する写真・図版8日に日本で本格稼働する飲食宅配代行サービス「フードネコ」の配達員(ダブリュービージェー提供)

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 ウーバーイーツなどが先行する日本の飲食宅配代行サービスに、韓国系の「フードネコ」が8日、東京を皮切りに本格参入する。日本法人の代表執行役員が朝日新聞の取材に応じ、雇用関係にない個人事業主の配達員の労働環境などをケアするため、要望を聞き対応する専従社員を置く方針を明らかにした。

 フードネコは、韓国の飲食宅配代行最大手「配達の民族」を運営するウーワ・ブラザーズの100%子会社が日本で展開するブランド。テスト営業を経て東京都内の渋谷、港、新宿の3区で8日から正式にサービスを始め、来年中に23区全体に広げる計画だ。

 ウーバーの配達員をめぐっては、労働環境やウーバー側との意思疎通などが問題になっている。フードネコで配達員の窓口になる専従社員は、ネットの対話ツールも使って日頃から意見を聞くという。配達員の研修や交流・休憩の場にもなる「ライダーセンター」も東京・代々木に設置した。

拡大する写真・図版日本に新規参入する飲食宅配代行サービス「フードネコ」が東京・代々木に設けた配達員の拠点「ライダーセンター」。専従社員が配達員の要望を聞き、問題対応にも当たる=ダブリュービージェー提供

 日本法人ダブリュービージェーの代表執行役員でマーケティング統括本部長の津毛(つもう)一仁氏(47)は、「プラットフォーム企業にとっては、配達員も利用者。配達員とも顔を突き合わせて話せるブランドになる必要があり、対話重視で臨む」と語った。

 飲食宅配代行は今年、外資や国内勢などの新規参入が相次ぐが、外食市場全体に占める割合は世界的に見て高くない。一方、韓国は外食市場に占める飲食宅配の市場占有率が高く、優秀な配達員の獲得競争も激しいという。

 韓国の労働事情に詳しい労働政策研究・研修機構の呉学殊・統括研究員によると、親会社のウーワ・ブラザーズは韓国で、長期優待報酬や健康診断の費用補助などを含む労働協約を配達員の労働組合と今秋交わしたという。津毛氏は、日本でも労組から団体交渉の求めなどがあれば「きちんと対応したい」と話した。

 このほかフードネコは、ウーバーイーツなど先行他社が利用者に課すサービス料や1・5キロ以内の近距離配達料を無料にし、登録店の手数料も低く抑えるとしている。需要予測のアルゴリズムも活用するという。津毛氏は「注文者や店の負担が大きくなりがちな商慣習を変えながら、成長余地のある日本のシェアを取っていきたい」と話した。

拡大する写真・図版インタビューに応じる飲食宅配代行サービス「フードネコ」の運営法人ダブリュービージェーの津毛(つもう)一仁・マーケティング統括本部長。8日、日本でサービスを本格スタートさせる=東京都港区、藤えりか撮影

 津毛氏は外資系スポーツメーカーやグーグル日本法人などを経て今年9月までウーバー・テクノロジーズ日本法人の幹部を務め、同10月から現職。(藤えりか

11日(金)に無料オンライン記者サロン「フード配達員の働き方」

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