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 「幸」と「辛」。形は似ていても、意味はまったく違う。辛という字に「一」を加えて幸せなプロ野球人生にするため、もがいてきた一人の選手がいる。今季、DeNAから戦力外通告を受けた古村徹投手(27)。「得意技」と自虐的に言うほど悩まされたケガが癒え、7日、12球団合同トライアウトのマウンドに上がった。

 「あれ、痛くない」

 11月3日に球団から戦力外を言い渡されてから数日後。古村は昨秋のドラフト1位、森敬斗にキャッチボールをお願いされ、10月29日の2軍最終戦以来、久しぶりにボールを投げた。

 勝負の1年と覚悟していた今季、開幕前からずっと痛かったはずの左ひじが、スムーズに動く。

 少しずつ力を加える。痛みは出ない。翌日以降も、遠投やブルペンでの投球と強度を上げても問題ない。それどころか、最速150キロを投げていた2年前に近い感覚も戻ってきた。

 「ケガさえなければ、自信はある」。トライアウトを受けよう――。11月20日ごろには、気持ちが固まった。

 「プロに入ってから、ほとんど『野球をやっていない』んですよね」。古村はショッキングな言葉で、過去を振り返る。

 その経歴は「異色」と言っていい。

 神奈川県の公立、茅ケ崎西浜高…

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