コロナ禍をきっかけに政府や自治体、企業で押印の廃止が進みました。「脱ハンコ」の流れに、印章業者が集まり「ハンコ王国」とされる山梨県の長崎幸太郎知事(52)は異議を唱えています。「ハンコをなくさないとデジタル化できないというのはウソ」と訴える長崎知事の思いを聞きました。
――菅政権で河野太郎行政改革相が就任してから脱ハンコが加速しています。
「山梨県も印章業界も決してデジタル化に反対しているわけではありません。テレワークにより働きやすくなるなど、地方にとってはデジタル化はむしろありがたい。ただ、河野さんが最初に『ハンコ廃止』と印章の存在を否定するような発言をした。そのため押していること自体がおかしいんじゃないかという雰囲気が出てしまった。脱ハンコに異を唱える人を批判する『ハンコ警察』まで現れた。印章業界では血が流れるんです。しわ寄せを受ける人たちに対するケアをなくして改革するんですか。『斬り捨て御免』でいいんですか。これが今回問いかけたかったことなんです」
拡大するインタビューに答える山梨県の長崎幸太郎知事=東京都千代田区
――ハンコをなくすことが目的のようになってしまいました。
「ハンコの廃止がなければデジ…
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