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 介護保険制度が始まってからの20年で、介護を必要とする高齢者の人数や介護保険にかかる費用は3倍に増えた。こうした状況のなかで、「介護予防」「自立支援」が存在感を増している。その取り組みは利用者のために行われているのだろうか。

要介護状態を「卒業」 その後もフォロー 

 埼玉県和光市にある団地の集会室。鈴木六郎さん(87)は割り箸を碁盤の目の形になるよう、慎重に積み重ねていた。少し手元が狂うと、ずれてしまう。「真っすぐ並べるのが難しいね」。そう言いながら丁寧に作業を進めた。

 鈴木さんが参加していたのは、和光市がNPOに委託して実施している介護予防教室。要介護状態から「卒業」した人の受け皿にもなっている。手先を動かすレクリエーションをしたり、教室がある団地内を散歩したり。「ほとんど毎日来ている。うるさがられているかな」。鈴木さんは笑う。

 2年ほど前、脊柱(せきちゅう)管狭窄(きょうさく)症を患い手術を受けた。それまではウォーキングが趣味の一つだった。手術後は長い距離を歩くのは難しくなり、買い物も困難になった。

 介護保険サービスを使おうと申請したところ、「要支援1」。「歩行器を使って日常生活ができるようになる」ことが目標になった。筋力をつけるためにデイサービスに週2回、一人暮らしだったため栄養士から栄養指導も受けた。

 1年ほどで歩行器を使えば買い物に行くことができるようになった。ケアマネジャーから告げられたのは「卒業」、要介護状態ではなくなったという判断だった。「デイサービスに行けなくなったら行く場所がなくなると心配で、『落第させてくれ』と言ったんだけど、卒業させられちゃった」

 その後、介護予防教室に通い始…

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