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 健康づくりに役立つ栄養バランスがとれた食事を、健康的な環境で提供する店舗や事業所を認証する「スマートミール」制度が始まって2年になる。全国で419事業者、県内では15事業者が認証を受けた。最高評価の「三つ星」を、外食部門では九州で初めて得た食堂を訪ねた。

 福岡市博多区の西部ガスの社員食堂「火と人」の入り口に写真付きでメニューを紹介する看板がある。最も目立つ一番上に「スマートミール定食」。この日の主菜は「厚あげトマトソース」、小鉢がオクラとささみのあえ物。これにご飯(白米か雑穀米)とみそ汁がついて630円だ。

 配膳のカウンターには栄養情報を書いたパネルがある。この日の定食だと熱量590キロカロリー、たんぱく質23・5グラム、脂質15・6グラム、炭水化物87グラム、食塩相当量2・7グラム、野菜など170グラムだった。主菜はこのほかに豆腐ハンバーグなど4種類あり、月曜から金曜日まで日替わりで提供する。

 西部ガスは従業員の健康に配慮し、生産性を高める「健康経営」に取り組んでいる。今年7月に社員食堂を新設する際、その一環としてスマートミール認証を取ることにした。病院や施設の給食業務を請け負う子会社「ドクターフーヅ」が運営し、同社の管理栄養士満屋香織さんがスマートミールのメニューを考えた。「栄養バランスが良くて減塩というと薄味でおいしくないイメージがある。それを覆すため味付けを工夫した」と振り返る。例えば豆腐ハンバーグに添えるタルタルソース。マヨネーズが多いほど脂質も多い。味を落とさずにカロリーを減らすため一部をヨーグルトで代替し、ラッキョウを入れた。

 火と人は一般にも開放し、1日に計約80食を提供している。そのうちスマートミール定食は20~30食が出る。ドクターフーヅの市来洋介社長は「市内の老舗フランス料理店が監修したメニューもある中で予想を上回る数字」と話す。

 スマートミール認証制度は、生活習慣病の予防に役立つ外食・中食・事業所給食の標準を示し、普及させるため、日本栄養改善学会など13学会による「健康な食事・食環境」コンソーシアムが2018年秋に始めた。認証を受ける必須条件の一つが基準を満たす食事の提供だ。例えば、「主食+主菜+副菜」の場合、熱量450~650キロカロリー未満、ご飯は150~180グラム、食塩相当量3グラム未満といった基準だ。

 火と人では必須条件のほか減塩調味料の提供、週3日以上、大豆・大豆製品の提供といったオプション項目を10以上満たしたため三つ星となった。

 スマートミールを食べさえすれば健康になるわけではない。満屋さんは「スマートミールをきっかけに、カロリーや栄養を意識してもらえたら」と話す。

 外食・中食部門では同社以外では福岡県柳川市や筑後市などの7事業所、給食部門で7事業所が認証を受けている。(宮田富士男)

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