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 新型コロナウイルスの感染が急拡大した北海道旭川市が、道を通じて自衛隊に災害派遣を要請することを決めた。基幹病院を含む2病院でクラスター(感染者集団)が発生し、他の施設でも感染者が増え、患者の治療にあたる医療従事者が悲鳴を上げた。「最後の手段」(西川将人市長)という自衛隊への要請で感染拡大を抑えられるか、同市では瀬戸際の状況が続く。(本田大次郎、井上潜、斎藤徹、松尾一郎)

病院でクラスター、医療圧迫の原因に

 「DMAT(厚生労働省の災害派遣医療チーム)からの派遣要請を求める声が決め手となった」。7日午後に記者会見した旭川市の西川市長はそう話し、医療現場からの声に押される形で要請を決めたことを明かした。

 札幌に次ぐ道内第2の都市・旭川市ではこれまでに八つのクラスターが発生。中でも吉田病院と旭川厚生病院のクラスターが医療体制を圧迫している。

 吉田病院では11月6日にクラスターが発生。もともと寝たきりの高齢者が多いこともあって一気に感染者が増えた。7日時点で計187人が感染している。

 さらに、市内のコロナ患者を受け入れていた厚生病院でも11月下旬にクラスターが発生。7日時点で計237人が感染し、国内の医療機関では最大規模のクラスターとなった。旭川市の死者計41人はすべて2病院の患者だ。

 今回の市の要請に先駆けるように、11月25日には吉田病院の理事長が、市長に自衛隊の派遣を要望。自衛隊に対し、看護師20人以上の派遣や、院内消毒や医療廃棄物の処理、感染予防具の提供を求めたいとした。市は道と協議したが、この時点で派遣要請には至らなかった。

 しかし、今月5日夜の市保健所とDMATなどとの会議が情勢を一変させた。

 市内で感染拡大防止にあたるDMATなどは、吉田病院に20人、クラスターが発生した市内の障害者施設に4人の計24人の看護師派遣が必要だと指摘。市は道に道に要請したが道も手が回らず、結局、鈴木直道知事と西川市長の電話会談で、自衛隊派遣要請が一気に決まった。

 旭川市の7日の感染者確認は8人で、ここ数日は減少傾向だ。このタイミングでの自衛隊派遣要請について、西川市長は「11月25日の段階では(他地域などからの)看護師確保に向け、懸命に動いていたが、これ以上求めるつてもなくなった。感染者はここ数日少ないが、クラスターは引き続き発生している。医療機関の余力も少なくなった。市全体の医療体制の維持が難しくなってきたため、自衛隊を要請することにした」と説明した。

記事後半には、自衛隊派遣要請を決めた西川将人・旭川市長の会見での主な一問一答も。

道幹部「旭川だけに注力できる状況では…」

 旭川市の支援で自衛隊に助けを求める形になった道。各地での対応に追われ、道全体の医療が逼迫(ひっぱく)するなか、同市へこれ以上の支援が難しくなっていた。

 道内では10月下旬以降、札幌…

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