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 不要になったものを「シェア」しませんか――。東京都世田谷区三軒茶屋にあるシェアハウスで、住人の持ち物をアート作品に見立てて出品する「盗めるシェアハウス展」が開かれている。オンライン上でシェアハウス内にある洋服や本、家具などを「盗む(買う)」システムで、物がなくなるまで続けるという。

 「昔いきがってた時にきてたパーカー¥50」「非常用の油¥50」「すごく長い蛍光灯¥50」「モテアマしてる本¥50」

 インターネットのサイト(https://www.nusumeru.house/別ウインドウで開きます)には、ユニークなタイトルの作品に見立てた「いらなくなったもの」が並ぶ。売り切れると「STOLEN(盗まれた)」などと表示される。どれも住人が持ち寄ったり、知人が持ち込んできたりしたものだ。11月23日から始まり、少なくとも5個は「盗まれた」という。

 この変わった取り組みをするシェアハウスの名前は「モテアマス三軒茶屋」。2016年に社員寮だった3階建ての15LDKを借りてシェアハウスを開始。最初の2カ月は高野一樹さん(34)が一人で住んでいたため、「部屋を持てあましていたから、『モテアマス』と名付けました」。すると、だんだん住人が増え、今では20~30代の25人が同居する。

 住み始めた当初は何もなかったが、人が増えると物も多くなった。「捨てるのももったいないし、面白くない。どうせならもらってもらおう」。そこで、高野さんが考えたのが「盗めるシェアハウス展」だった。8月に1日限定でシェアハウスで開催して好評だったことから、常設展にした。

 コロナ禍のため、今回はオンライン上で開催。部屋を360度見ることができるページも作った。漫画やがらくたのおもちゃ、椅子、洋服……。専用シールが貼られているものはすべて50円(送料別)で「盗む」ことができ、作品数も増やす予定だ。サイトや専用シールの制作はすべて住人が担当した。

 三軒茶屋を拠点にイベント活動なども行っている高野さんは、「色々な物をシェアできるような世の中になればいい。部屋の中だけではなく、街の中でも『盗める文化』を展開したい」。(野田枝里子)