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 【新潟】乳がん手術で乳房を摘出した人のための装着式「人工乳房」のネット販売を、新潟市の医療用品販売会社「レリエンスメディケア」が始めた。個別の調整などが要らない新製品を開発し、外出して来店しにくいコロナ禍でも多くの人に届けられるようにした。

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 乳がんは日本人女性の9人に1人がかかる。乳房摘出後には、肩こりや腰痛などの体調不良のほか、外見を気にして外出を控えるようになる人もいるという。手術で乳房を再建する方法もあるが、再び体にメスを入れることをためらい、装着式の人工乳房をつける人もいる。

 同社はがん患者のためのウィッグ(医療用かつら)を扱っていたが、2014年からは地肌に直接貼り付けて装着するシリコーン製の人工乳房の販売を開始。オーダーメイドの高価な製品が多いが、同社の小林勝広代表は、本物のような見た目を追求しながらも一つ15万円からという低価格での製品化に成功した。

 温泉にもつけて行けるよう色を調整した製品もあり、年間70~80個ほどが売れていた。客の多くは県外在住で、着用感などを試してもらうため、購入時には必ず新潟駅近くの店舗まで来てもらっていた。

 しかし、今年4月、乳がんを経験した俳優の岡江久美子さんが新型コロナによる肺炎で亡くなると、客足は途絶えた。一方で「何カ月後でもいいから(来店を)予約したい」「自宅で試せないか」との問い合わせが寄せられた。

 「コロナ禍でも人工乳房を届けたい」

 小林さんは、インターネット販売に乗り出すことを決め、開発に着手。ネット販売では、サイズや形などの細かな調整は難しい。そこで、下着の下につける用途に特化した製品を新たに開発。これまでの販売データをもとに、MとLの2種類のサイズを用意した。製造を委託している茨城県かすみがうら市の工房と、シリコーンの配合を変えるなど調整したという。貼り付け面がブラジャーからはみ出ない大きさ、どんな形状にもフィットする柔らかさを追求した。

 価格は両サイズとも9万9千円(税込み)。10月からウェブサイトで販売を始めた。1~2年程度使用できるという。粘着力が弱くなった時や、術後のくぼみがある場合用にシリコーン製の接着剤も販売している。

 小林さんは「手術し、社会復帰する方や喪失感に悩む方が元気になる商品。ぜひ使ってみて欲しい」と話した。

 注文は販売サイト(https://relience.official.ec/別ウインドウで開きます)から。問い合わせは電話(025・278・9123)、LINE(@tqb2782o)で。(杉山歩)