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 東京都豊島区の会社員女性(35)が9月から行方不明になり、栃木県那須町で遺体で見つかった事件。死体遺棄容疑で逮捕された佐藤喜人容疑者(29)は保育士で、周囲からは優しく、真面目な人物とみられていた。凶悪事件とのギャップに、上司や親族からは驚きの声があがった。

 佐藤容疑者は昨年7月から、豊島区の認可保育園で勤務していた。複数のクラスでそれぞれの担任を支援する立場で、多くの園児や保護者と接していた。園によると、遅刻や無断欠勤はなかった。園児からも慕われていたという。警視庁から今月5日に任意で事情聴取を受けたが、前日も普段通りに出勤し、変わった様子はなかったという。

 園長は7日、報道陣の取材に「ごくごく普通の青年で、驚いている。被害者の方がお気の毒です」。園に子どもを預けている母親は「優しい印象でいつもにこにこしていた」と話した。

 佐藤容疑者は園に勤務する前の約4年半、埼玉県の特別養護老人ホームで介護職員として働いていた。新任職員を紹介する部内誌では、「子供から高齢者まで楽しく生活が送れるように支援ができたら」と福祉の道を志した理由を語っていた。また、「利用者からさりげない気遣いの言葉を頂き、人と関わる大切さを学び成長の糧にしている」などと仕事への思いもつづっていた。

 佐藤容疑者の自宅アパートの別の部屋に住む30代の女性も、静かで真面目な男性だと感じていた。約1年半前に母親と転居してきた際は、律義に2人であいさつに来てくれた。普段も「おはようございます」などと声をかけると、会釈を返してくれた。「逮捕されたと聞いてびっくりしました」

 一方、定期的に交流していた親族は、佐藤容疑者について「口数が少なく、おとなしい性格」と証言する。警視庁に逮捕される直前も家を訪ねてきたが、普段と変わった様子はなかったという。この親族は「ショックですし、被害者に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです」と肩を落とした。(岩田恵実、滝口信之)