第2回核廃絶への理想と現実 ガンダム世代に伝えたかったこと

有料記事核といのちを考える

聞き手 編集委員・副島英樹
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 「機動戦士ガンダム」シリーズで総監督を務めた富野由悠季(よしゆき)さん(79)に、来年1月に発効する核兵器禁止条約や、作品にも登場する核兵器について聞いた。

 とみの・よしゆき 「機動戦士ガンダム」の生みの親。多数のシリーズで総監督を務めた。現在、巡回展「富野由悠季の世界」を富山県美術館(富山市)で開催中。

第五福竜丸のリアル ガンダムでも

 ――ガンダム作品には核兵器が何度も出てきます。核兵器を使う着想はどこから来たのですか。

 戦後にできた映画で、広島・長崎の原爆のことを具体的に知っていきました。すごいもんだよね、ひどいもんだよね、破壊力がすごいんだよね。こういうもの作っちゃうアメリカと戦争して勝つわけないよね、というふうに思い知らされるわけです。

 同時に、ビキニ環礁での水爆実験時の第五福竜丸事件で、中学の時ぐらいかな、爆発直後の放射線被害というものはこれほど過酷なものなんだと知った。

 ビキニ環礁までのことをリアルに、水爆の存在というものを認識している世代です。だから作品で使うのは当たり前です。当たり前と同時に、ガンダムでも核を使ってもいいなと思ったのは宇宙空間です。地球上では使っていない。

――来年1月に発効する核兵器禁止条約をどのように見ていますか。

記事後半では、ガンダム作品「逆襲のシャア」のワンシーンをあげて人類と核兵器について語ります。

 条約の理念は高潔だし素晴ら…

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