河合真美江
ぼぼ、ぼぼぼぼ。風がなくても踊るように炎が大きく揺らいだと思えば、小さくもなる和ろうそく。安い洋ろうそくなどに押され、まさに「風前の灯(ともしび)」だったが、コロナ禍もあって出番が回ってきた。
「この春から20、30代のお客さんがグンと増えました」。創業300年以上と伝わる老舗(しにせ)、愛知県岡崎市の「磯部ろうそく店」9代目のおかみ、磯部有記枝さん(56)は驚く。
若いお客のお目当ては、和ろうそく。離れて会えない親に送りたいと泣き出す女性客もいる。若い男性客は皆無だったのに、今では名前もわかる人が10人余りになる。
和ろうそくは、すすが少なく、ろうがたれにくい。寺や仏壇の灯(あかり)に重宝されてきた。石油を精製したパラフィンから作る洋ろうそくと違って、和ろうそくは和紙などを使った芯(しん)のまわりに木ろうを塗り重ねる。独特の作り方や形があいまって、風がなくても炎は伸びたり縮んだりと変幻自在に揺らぐ。
磯部さんの店のリピーターにな…
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