[PR]

 陸上自衛隊が、新型コロナウイルス感染防止のため、災害派遣時などに隊員間のソーシャルディスタンスを採り入れた新たな防護基準(MOPP)を策定していたことがわかった。3密を避けるため、隊員間の距離の基準を2メートルと設定。コロナ禍における初の大型災害となった7月の熊本豪雨の災害派遣時に適用した。

 九州・沖縄を管轄する西部方面隊トップの総監として指揮にあたり、8月に退官した本松敬史氏が、朝日新聞のインタビューで明らかにした。災害派遣において部隊として活動する陸上自衛隊は、隊員同士が密集した状態で任務にあたる場面が多いため、西部方面隊が独自に基準を策定した。

 自衛隊には化学・生物・放射性物質などへの対処を想定したMOPPがある。コロナ対応のMOPPでは、社会通念上の距離感に自衛隊の任務の特殊性などを加味し、隊員間の密集度の基準を2メートルと設定。屋外または換気ができている屋内でも、隊員間の距離が2メートル以内で接触がある場合には、任務にあたる全隊員が飛沫(ひまつ)防止と防護衣などの着用を徹底することとした。

 全国でコロナ感染が拡大するなか、熊本県では7月、南部を中心に記録的豪雨に見舞われ、熊本県知事が西部方面隊の第8師団長に災害派遣を要請した。

 本松氏によると、制服組トップの山崎幸二統合幕僚長が「自衛隊から一人の感染者も出さないように」と指示。災害派遣中の約1カ月間で延べ約35万人が動員されたが、感染者は出なかったという。

 また本松氏は、この災害派遣では、主要部隊のうち第8師団(司令部・熊本市)をもって対応させるとともに、西部方面隊の防衛態勢が緩まないよう、朝鮮半島に近い第4師団(同・福岡県春日市)、中国・台湾に近い第15旅団(同・那覇市)には通常の態勢をとらせたことも明らかにした。

「大災害時でも防衛態勢維持は一体不可分」

 こうした部隊運用は、東日本大…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら