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 兵庫県は知事公用車、山口県は来賓専用車――。トヨタの最高級車「センチュリー」を自治体が保有することの是非が、にわかに議論となった。実はこの車、長崎県も持っている。駐車場を訪ねると、購入21年のその車は、壁の端にひっそりと鎮座していた。

 長崎港を目の前に望む県庁行政棟。1階の薄暗い駐車場に、その車は鎮座する。漆黒のボディーにはうっすらとほこりが積もり、後部座席の白いカーテンは黄ばんでいる

ように見える。車体は、右側の壁ぎりぎり5センチほどまで「幅寄せ」されている。

 「ほとんど使われていないんです」と県管財課の担当者は言う。「お抱え」の運転手はおらず、最後の掃除がいつかもわからない。運転手が容易には乗り込めない幅まで寄せてあるのは、隣に止まる車が大きめで、背後の壁にある掃除用具の棚が開けやすいようにするためだろう、ということだ。

 同課によると、県はこの車を1999年に980万円で購入した。当初は知事、副知事、議長、教育長のための「三役車」として使われたが、5~6年後に皇族や海外の要人のための「来賓車」に切り替わった。詳しい理由や正確な時期は「記録が残っていない」という。

 近年はほぼ乗られていない。管財課が乗車履歴をさかのぼれたのは2012年まで。年に10日以上の稼働があったのは、国体が行われた14年(22日)と16年(11日)の2年だけだった。誰を乗せたかの記録は残っていない。使用用途が唯一確認できたのは、5日間稼働した18年。1日は中国からの要人を乗せ、残り4日は「三役車」が車検に出ている際の代車だった。19年の使用は0日で、今年も出番はない。走行距離は約13万9千キロ(9月末時点)だ。

 兵庫県は昨夏、知事の公用車を…

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