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 JR池袋駅(東京都豊島区)で1996年、立教大4年の小林悟さん(当時21)=埼玉県春日部市=が殺害された事件で、警視庁が容疑者不詳のまま殺人容疑で書類送検する方針を固めたことが8日、捜査関係者への取材でわかった。公訴時効がない殺人事件では極めて異例で、遺族の「他の事件に捜査力を向けてほしい」との意向を受けて判断した。ただ、警視庁は引き続き捜査は継続し、情報提供を求めていくという。

 事件発生は96年4月。池袋駅ホームで小林さんが男に突き倒されて頭を強く打ち、5日後に死亡した。警視庁は傷害致死容疑で捜査し、公訴時効が成立する前の03年に殺人に切り替えた。10年には刑事訴訟法の改正で殺人事件の公訴時効が撤廃された。

 悟さんの父の邦三郎さん(75)は事件解決を祈ってきたが、法改正で既に時効を迎えた殺人事件の遺族が救われなかったことに納得できず、その後、捜査打ち切りを求めていた。

 邦三郎さんは8日、取材に「捜査は永久にはできない。これまで十分やっていただいた。寂しいが世のためになることを考えた結果です」と話した。