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 自民党の森山裕・国対委員長は8日、国会内で立憲民主党の安住淳・国対委員長と会談し、政府が新型コロナウイルスに対応するため予備費から約3700億円を支出する方針であることを伝えた。うち約3千億円は6月末まで延期される観光支援策「Go To トラベル」事業にあてられるという。

 政府によると、3千億円は当面の予算不足に加え、2月から6月末までの延長分の費用となる。1月18日に召集予定の通常国会で議論される今年度3次補正予算の成立を待っていては間に合わない可能性があるため、予備費で対応することを決めたとみられる。

 このほか、約700億円を使い、生活が苦しいひとり親世帯を支援する「臨時特別給付金」を再支給する。11日に閣議決定され、その後の衆参の予算委員会の理事懇談会で質疑が行われる。

 予備費は、災害など予想外の出来事に対応するためにあらかじめ準備しておく費用で、通常は5千億円程度。安倍政権は新型コロナに臨機応変に対応するために、予備費としては異例の11.5兆円を確保した。

 森山氏との会談後、安住氏は「感染拡大の原因の一つである人の移動を促進することに補助金を出している。菅義偉首相のやっていることは、『Go To』感染拡大だ」と語った。野党側は「Go To」事業に予算を使うことに反対している。

 野党は5日に閉会した臨時国会で、新型コロナの対策を議論するよう延長を求めていた。しかし、政府・与党は延長に応じず、閉会した後に、国会審議なしに使える予備費を使う方針を決めたことになる。

 加藤勝信官房長官は7日の記者会見で、Go Toトラベルについて、「最大で5兆円の経済効果、46万人の就業誘発効果があったという民間の試算もある」と述べ、経済への効果を訴えた。(小泉浩樹