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 小学校の体育館に泊まって避難所生活を体験する1泊2日のイベントが、栃木県日光市の今市小学校であった。同小の「おやじの会」が企画し、6年生を中心とした児童や家族ら約80人が参加。協力しながらまきを割り、段ボールで寝床をつくり、食事づくりにも挑んだ。

 災害時にどのように行動したらいいか体験してもらい、小学校最後の思い出を作ろうと、昨年夏に発足した「おやじの会」が準備を進めてきた。阪神大震災の避難所でボランティア活動に参加したメンバーの猪瀬忠之さん(50)の体験がきっかけになった。

 おやじの会は地元の商店主のほか、消防署員や元自衛官もいて、キャンプや料理に精通するメンバーも多い。当日、手本を見せながら子どもたちにまき割りをさせ、一緒に段ボールで簡易ベッドをつくった。

 女子児童が中心となって2種類のカレー作りにも挑んだ。材料の買い出しも体験し、夕飯はおやじの会が作った鍋焼きうどんやチキンの丸焼きも加わって豪華な献立になった。新型コロナウイルス対策のため、食事は交代でとった。

 息子と参加した大沢裕美さん(49)は「お父さんたちのリーダーシップに感激しました。避難所体験は貴重。アイデアに感心しました」と話した。

 夜には中庭でキャンプファイア。串に刺したマシュマロを焼いてほおばり、肝試しも体験。父親たちがミイラなどに扮し、子どもたちを喜ばせた。

 就寝前には、ペットボトルにお湯を入れて靴下で包み、簡易の湯たんぽに。子どもたちは「温かい」と目を丸くしていた。

 石川僚一校長は「一生の思い出になるようなキャンプだったね。みなさんが大人になったとき、自分がやってもらったことを次の人たちにやってくれるとうれしい」と子どもたちに語りかけた。

 参加した子どもたちは親に感謝の気持ちを書き、帰宅して渡すという。1人の手紙にはこう書かれていた。「今日のお父さん、とってもかっこよかった。ありがとう。今日のことは一生忘れません」(梶山天)

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