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 加藤勝信官房長官は8日夜の記者会見で、自衛隊の看護師と准看護師計10人を派遣することになった北海道旭川市を対象に緊急事態宣言を出す考えはないか問われ、「現時点で、緊急事態宣言を発出するような状況ではないと判断している。専門家も同じ認識と承知している」と述べた。

 緊急事態宣言の判断にあたっては「基本的対処方針に沿い、4月に宣言を行った時と同じ考え方で、感染状況や医療提供体制の状況などを踏まえ、専門家の意見を聞いた上で総合的に判断する」と説明した。

 旭川市ではこの日、1日当たりの新規感染者数が過去最多となる50人となった。市内の病院など複数の場所でクラスター(感染者集団)が発生しており、同市の対策本部は7日に自衛隊に看護師らの派遣を要請することを決めた。北海道の鈴木直道知事が8日夕、正式に要請し、同日中にも10人が現地に入る予定だ。

 また、札幌市が政府の観光支援策「Go To トラベル」の対象から一時的に外れるなかで、旭川市は現時点でも対象となっている。この点の説明を求められた加藤氏は、「同市では医療機関や福祉施設における大規模なクラスターが発生の中心になっている」と指摘。感染経路不明の割合が4割程度を占めるなどしている札幌市とは感染状況が異なるとした。また、北海道知事らから「(対象外にすることを求める)具体的な要請も頂いていない」と述べた。

 トラベル事業は、感染が急増する札幌市と大阪市を目的地とする旅行で利用が一時停止され、両市を出発する旅行も自粛が呼びかけられている。政府はトラベルが感染拡大の主要因ではないとの立場を続けており、2市を一時停止したのは、現地の医療提供体制に追加的な負荷を与えないための予防措置としている。(菊地直己)