海中のゴミが水槽で泳ぐ企画展 むろと廃校水族館

笠原雅俊
【動画】ウミガメたちの悲鳴が聞こえる、海中ゴミが泳ぐ水槽=笠原雅俊撮影
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 「ウミガメや魚たちの悲鳴が聞こえる」。高知県室戸市の「むろと廃校水族館」で、プラスチックなど海洋ゴミを展示する企画展が始まった。サメやウミガメの体内から見つかったレジ袋や釣り針もある。プラゴミの海洋汚染が世界的に深刻化しており、観光客や家族連れも「海の現実がよくわかる」と関心を持ってケースを眺めている。

 この企画展は、今年11月から同水族館2階で始まった「あたらしい海の仲間たち」。水槽の中でゆらめくのは、室戸岬沖の太平洋で魚やウミガメに絡まったり、胃袋から見つかったりしたゴミだ。

 小さな水槽には二つのレジ袋がふわふわと泳いでいた。今年6月、死んだ状態で見つかったオサガメの体内から出てきた。大きな水槽にはピンクの袋が魚のように漂う。サメの体に刺さっていたさびた釣り針。ウミガメに絡まっていた釣りの仕掛けもある。海のガラス片を集めた水槽も並ぶ。

 大阪府東大阪市から妹と来た会社員の石井宗二さん(51)は「海のゴミが泳ぐ水族館は初めてで、驚きました。魚やウミガメが苦しんでいるということがよくわかります」と話した。

 企画した若月元樹館長は「今年はレジ袋の有料化が始まり、海洋ゴミが問題になっているためでしょうか、お客さんの関心は高いです」と話している。

 同館はこの企画を1年間は続けるという。(笠原雅俊)

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