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 福岡市博多区の自転車店で3月、女性を殺害して現金を奪ったとして強盗殺人などの罪に問われた住所不定、無職の佐々木達也被告(35)に対する裁判員裁判の被告人質問が8日、福岡地裁(溝国禎久裁判長)であった。被告は自転車店に強盗に入った理由について「店に女性が1人しかおらず、店内の見通しも悪かったので、金を奪いやすいと思った」と述べた。

 起訴状などによると、被告は3月4日午後4時~5時40分ごろ、博多区住吉2丁目の自転車店に侵入し、店長の小森寛子さん(当時42)の首を手で絞めて殺害し、レジなどから少なくとも現金10万7500円を奪ったなどとされる。

 初公判で、被告は殺意を否認し「失神させようとして首を絞めた」と述べた。

 被告は8日、事件当日の行動について、金を奪おうと考えながら歩いていると偶然自転車店を見つけたと説明した。店内に自転車などが並び見通しが悪いと感じ、客を装って入店。小森さんに「1人でこの店を見られているんですか」と尋ね、他に店員がいないことを確かめたほか、店内を見回して防犯カメラがないことも確認したという。

 被告が店の奥で小森さんの首を絞めた直後に来客があったため、店員を装ってその客に「もう店を閉めます」と応対したことも明かした。店の奥に戻ると小森さんの足が動いており、失神させようと再び首を絞めたと説明。金を奪った後は「誰も入ってこないように」と店の照明を消し、扉を閉めて店を出たという。

 この日午後には遺族の意見陳述もあり、被害者の姉は「あなたが罪のない妹を殺し、奪ったお金で遊び回っている間、家族は身を引き裂かれる思いだった。一生かけて罪を償ってほしい」と述べた。(松本江里加、川辺真改)