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 自民党の上野通子参院議員=栃木選挙区=が代表を務める「自民党栃木県参院選挙区第1支部」が、上野氏や親族が所有する宇都宮市内の事務所の賃料について、過去2年分の政治資金収支報告書に記載していなかったことがわかった。2018年から事務所は無償提供されることになったが、政治資金規正法に基づく報告義務があった。

 上野氏の公設秘書によると、事務所は宇都宮市内の4階建てビルの一室に今年8月まであった。同支部は事務所賃料を上野氏の母親に毎年支払い、2017年分の報告書には30万円の支出を記載していた。

 しかし、賃料が発生しなかった18、19年分は報告していなかった。同支部は財産上の利益があったと認め、賃料相場を検討した上で近く報告書を訂正するという。

 事務所は17年まで上野氏と母親が所有し、その後、母親が持ち分を上野氏の実子2人に生前贈与した。公設秘書は「政治資金の親族への還流と受け取られかねないと考え、支部が事務所を無償で借りる形に改めた。報告書に記載しなくてもよいと考えた」と話した。

 県内では、政治家が自らの関連企業から事務所や車を借り、政治資金で賃料を支払うケースもある。政治資金問題に詳しい神戸学院大の上脇博之教授は「上野氏の場合は記載すべき内容が欠けていたという形式的な側面が強い。一方、賃料として身内企業などに政治資金が流れる場合は金額が適切か監視が必要。安くても政治家との癒着が疑われる。政治資金には税金である政党交付金が含まれていることを忘れてはならない」と指摘する。(池田拓哉)