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 バイデン次期米大統領は8日、国防長官にロイド・オースティン元中央軍司令官を指名することを正式に発表した。上院で承認されれば、黒人で初めての国防長官となる。国の安全保障の中枢を担う主要閣僚に黒人を起用することで、多様性を重視する姿勢を鮮明にした。

 バイデン氏は声明で、「彼の生涯の献身的な働きや、ホワイトハウスの危機管理室で過ごした多くの時間から、模範的なリーダーシップや人格を示してきた」と評価し、「我々が現在、直面する課題や危機に立ち向かうのに比類なく適任だ」と強調した。

 オースティン氏は1975年に陸軍士官学校を卒業した軍歴41年の元陸軍大将で、イラクやアフガニスタンなどの戦場での指揮経験が豊富だ。オバマ前政権だった2011年にイラク駐留軍の指揮官として米軍完全撤退に関わった。陸軍副参謀総長を経て、13年には中東を管轄する中央軍司令官に就任し、翌年に「国家樹立」を宣言した過激派組織「イスラム国」(IS)を対象とした掃討作戦を指揮し、16年に退役した。

 米国の法律では文民統制を維持するため、退役将校は7年間、国防総省の要職に就くことができないが、議会の承認が得られれば可能だ。だが、トランプ政権のマティス元国防長官に続く軍出身者の要職起用に、議会やメディアから批判が出ており、承認が難航する可能性もある。(ワシントン=渡辺丘)