2代目ミライ、採算見通しは? トヨタ技術トップに聞く
「究極のエコカー」といわれるトヨタ自動車の燃料電池車(FCV)新型ミライが9日、発売された。「水素普及の使命を担う」という車をどう広めるのか。トヨタの技術部門のトップである前田昌彦・執行役員に聞いた。
初代、想定外の声も
――初代ミライは、なかなか普及しませんでした。課題は何だったのでしょうか。
「いくつかあります。まず生産能力の壁。あとは、水素ステーションとの関係でいうと、まだまだ水素が利便性の高い状態ではなかった」
「初代では、学びもありました。(完成車ではなく)システムやユニット(部品)を提供してほしいという声を社外から頂いた。いい意味で想定外。こういうニーズも今後高まっていくんだと。そうすると、完成車の提供だけでなく、ユニットの提供も一つの役割になっていくと思うんです。実は、ニーズが広まったのは、ほとんど商用車の世界でした。出力が足りない、もうちょっと小さかったら乗りやすい、コストも(高い)とか、お客様の様々なニーズに応えなきゃいけなかった。だからこそ、ミライのことだけを考えればいいんじゃなくて、ニーズに応えきれなかった部分に応えることが、開発するときの課題だったと思っています」
――商用車は水素と相性が良いと。
「商用車は特性上、止まっている時間が短い方がいいし、一回に走る量も長い。乗用車に比べると水素の消費量も多いんです。水素を供給する側も、消費量に合わせた供給量を確保しようとなるので、結果的には水素が広がりやすくなります」
好循環にもっていけるかがポイント
――FCVの普及には時間がかかります。一方で事業継続していくためには利益も大事です。ミライで採算がとれる見通しはありますか。
「見通しがあるかと言われる…