中川文如
「海外の文化に触れ、自分の『ラグビー人生観』みたいなものを変えていきたいんですよね」
2006年の春。彼はまだ20歳だった。
今季限りでの現役引退を発表したラグビー元日本代表FB五郎丸歩(34)=ヤマハ発動機=が早大3年だった時、単独インタビューで話してくれた言葉だ。
サッカーなど一部の競技を除き、日本のアスリートにとって海外進出がまだ珍しかった時代。若いのに視野が広いんだな、と驚かされたことを覚えている。
小学生のころに慣れ親しんだ球技はサッカー。「不器用だったから」と中学生でラグビーに転向したが、最も憧れていたのはアメリカンフットボールだったという。
「テレビでNFLを見て、楽しそうだなって」
幼い頃から、興味は国境を越えていた。
結局、才能を見いだされてラグビーから離れることはなかった。早大2年だった19歳で日本代表入りを果たし、伸び悩んだ時期を乗り越えて15年ワールドカップ(W杯)へ。「スポーツ史上最大の番狂わせ」と呼ばれた南アフリカ戦の勝利、独特のルーティンから繰り出される正確なゴールキックは、改めて振り返るまでもない。
最後にロングインタビューしたのは、W杯日本大会開幕の1年前、18年の夏だった。
本場の豪州、フランスへの移籍…
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。
残り:522文字/全文:1043文字
2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら
速報・新着ニュース
あわせて読みたい
PR注目情報
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。