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 コロナ禍で舞台人の多くが厳しい時間を送っている。今だから思い出されること、先輩たちの言葉、そして将来への思い。新劇女優、渡辺美佐子さんが寄稿した。

拡大する写真・図版「化粧」から=筆者提供

 杉村春子さんが亡くなられて空席になっていた「日本新劇俳優協会」の会長に、北村和夫さんが就任されたのは一九九七年でした。その時の総会で、当時すでに死語になりかかっていた『新劇』という二文字を外したほうがいいのではという意見が出ました。その時立ち上がったのは会員の一人だった小沢昭一さんです。

 “ぼくは千田是也先生のおっかけなんだ。先生は日本初の新劇の劇団、築地小劇場に参加して、以後日本の演劇のリーダーとして走りつづけ、俳優座を、俳優座養成所を、そして俳優座劇場を創(つく)られた。先生の舞台にはいつも、社会の不条理の中でもがき苦しみ、倒れていく人、闘う人がいた。先生の敬愛するブレヒトを世間に知ってもらうお手伝いをしようと僕たちは劇団新人会を作った。その志である『新劇』の文字を絶対なくしたくないんだ”。こぶしを握り、頰を赤くして語るのは、ラジオで聞く話の面白いおじさんとは別の小沢昭一さんでした。その迫力に『新劇』は生き残り、二十数年たった今も変わらず、現在九百五十七人の会員がいます。

 たいした考えもなく俳優座付属…

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