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 米国のトランプ大統領とバイデン次期大統領が8日、新型コロナウイルスに関する演説を同時刻に行った。ワクチンの実用化が進むなかでもバイデン氏は警戒を促したのに対し、トランプ氏はワクチン開発が「自分の業績だ」と自賛し、対照的だった。

 米国は現在、1日に確認される感染者が20万人を超え、死者も2千人超と厳しい状況が続く。累計では1500万人超が感染し、28万5千人超が亡くなった。

 次期政権の新型コロナ対策チームを紹介したバイデン氏は、「我々は暗い冬にある。改善する前にさらに悪くなるかもしれない」と危機感を示し、就任初日に連邦政府の施設内や州をまたぐ交通機関でのマスク着用を義務化すると表明。また、近く緊急時使用許可が出る見通しのワクチンについては「100日で1億回の接種を目指す」と述べ、ワクチンの流通網や学校の安全な再開の予算が必要だとし、連邦議会に追加の経済対策を急ぐよう求めた。

 一方、トランプ氏は同じ時間に、ワクチンに関するイベントで演説。米国が4種類のワクチンを確保していることについて「私のファンでなくても、『現代医学の歴史で最も偉大な奇跡だ』と言っている」と自賛した。実際の接種の多くは、バイデン政権になってから行われるが、大統領選での敗北を認めていないトランプ氏は、「次の政権が誰になるか見る必要がある。どちらになるにせよ、我々の成し遂げたことの恩恵を受けることになる」と語った。(ワシントン=香取啓介)