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 夫婦別姓を認めず、婚姻届を受理しないのは憲法に違反すると訴えた3件の家事審判で、最高裁第二小法廷(岡村和美裁判長)と第三小法廷(林道晴裁判長)は9日、長官と判事の15人全員がそろう大法廷(裁判長・大谷直人長官)で審理すると決めた。

 大法廷は2015年の判決で、夫婦同姓を定めた民法規定を「合憲」と判断している。今回は、同姓で婚姻届を出すよう事実上求める戸籍法の規定を含め、改めて憲法判断を示すとみられる。詳しい審理日程は決まっていない。

 申立人は、東京都内に住む3組の事実婚の夫婦。18年2~3月に国分寺市、八王子市、世田谷区に婚姻届をそれぞれ出す際、夫婦別姓にするため、婚姻後の名字を答える項目で「夫」「妻」の両方に印をつけて不受理とされた。

 3組は、市長や区長に対し婚姻届を受理するよう求めて東京家裁と東京家裁立川支部に家事審判を申し立て、夫婦同姓を定める民法750条と婚姻届の手続きを定める戸籍法74条について、「法の下の平等や両性の本質的平等を定めた憲法に反する」と訴えた。

 家裁と立川支部は審判で、「家族の姓を一つに定めることは社会に定着しており合理性がある」とした15年の最高裁判決を引用。多くの夫婦が夫の名字を選ぶ現状は「民法が生んだ差別とはいえない」などと述べ、訴えを退けた。東京高裁も即時抗告を棄却した。

 申立人らは、それぞれ最高裁に特別抗告し「15年の最高裁判決から社会情勢は変化している」と主張。今年7月までに102の地方議会が、「選択的夫婦別姓制度」の導入や議論を求める意見書を可決したことなどをふまえ、違憲と認めるよう求めていた。

 夫婦別姓をめぐっては、法相の諮問機関「法制審議会」が1996年、選択的夫婦別姓制度を盛り込んだ民法改正案を法相に答申したが、法改正は実現していない。内閣府が18年に公表した世論調査では、選択的夫婦別姓を「導入してよい」と考える人は過去最高の42・5%で、「導入する必要はない」とした29・3%を上回っている。(阿部峻介)