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 「現在は被害の拡大を食い止めることに全力を傾注しています」。福井県あわら市の小林化工本社で9日、取材に応じた研究開発の担当者がそう述べる一方、健康被害の内訳などの数については「集計中」とするにとどまった。同社は今回の事態を受け、自社主体で行っていた従業員教育について、今後は第三者の専門機関の協力を仰ぐとしている。

 福井県は同日、本社への立ち入り調査を実施。県によると、承認を受けた薬と異なる成分が混入したとする医薬品医療機器法違反などにあたるかどうか調べるためで、県医薬食品・衛生課や保健所の職員3人が工場や製造記録を見たり、担当者から経緯について聞き取りをしたりしたという。

 今回の問題に、ツイッター上では反響が広がる。同社の謝罪会見があった4日から、イトラコナゾールに関する書き込みが急増し、服用取りやめの呼びかけや、混入された睡眠導入成分の多さに驚きを示すツイートなどが相次いだ。

混入成分、眠気や意識もうろうも

 厚生労働省によると、イトラコナゾール錠に混入された睡眠導入剤の成分は、服用すると眠気が起きたり意識がもうろうとしたりする。自動車などの運転は正常にできない危険性があるという。担当者は「今回のような事案は聞いたことがない」と話した。今後、混入の経緯や製造過程などを調べ、福井県や国が小林化工への処分を決める。

 医薬品業界からは驚きの声が上がった。

 調剤薬局大手のクオール(東京都)は4日午後5時ごろに事態を把握。店舗には調剤の中止を伝え、患者には代替品を渡したという。広報部の担当者は「薬品の濃度が足りないといった製造ミスはたまにあるが、睡眠導入剤が混入するという重大な事例は例がない」と話す。

 同じく調剤薬局大手の日本調剤(東京都)も「今回のような製造の段階で他剤が混入され健康被害を引き起こすような事案は、これまでにない」(広報部)とした。

 日本薬剤師会(東京都)は各都道府県の薬剤師会長宛てに使用中止と回収を求める通知を7日付で出した。「我が国における医薬品への信頼を根本から揺るがす事態で大変遺憾」との見解を示し、小林化工に対しては「しかるべき対応等の申し入れを行う」としている。

 会員の薬局など全国の約4万4…

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