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 トランプ米政権による経済制裁で大きな打撃を受けてきたイランで、悪化する暮らしに国民の不満が募っている。来年6月に迫った大統領選では「経済」が大きな争点になりそうだ。米国のバイデン新政権への期待もあるが、苦境打開につながるのか――。(テヘラン=飯島健太)

 テヘラン北部の住宅街にある果物店で、店主のアミールさん(38)がレジ横に貼られた20~30枚の白い紙を見て、ため息をついた。

 「いつ支払ってくれるんだろうか」。印字されているのは、客の「ツケ」の金額だ。給料を受け取れない客が増えるにつれ、紙のレシートがたまっていった。

 店で売る果物の値段はこの1年で2倍~4倍超に。オレンジは1キロ5万リアル(実勢レートで20円)から23万リアル(同95円)になった。1日あたりの客は150人に半減し、1人あたりの購入額も半分に減った。

年金暮らし、黒く汚れたマスク

 物価上昇は特に昨年5月以降、急激に進んでいる。イラン統計局によると、消費者物価指数は今年11月までの年間平均で前年同期比29%上昇した。背景には、イランを「世界最大のテロ支援国家」と呼ぶトランプ米政権による「最大限の圧力」政策がある。

 イランは2015年に米英仏独中ロと核合意を結んだ。核開発の制限と引き換えに16年1月に制裁が緩和され、経済は一時、回復基調に。国際通貨基金(IMF)によると、実質国内総生産(GDP)の成長率は15年の1・6%減から16年には12・5%増となった。

 だが、トランプ政権は18年5…

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