「粉飾決算で損害」元株主が提訴 監査法人の責任も追及

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松浦新
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 粉飾決算によって株価が下がり損をしたとして、電子部品会社「ユー・エム・シー・エレクトロニクス」の大阪府の元株主が10日、同社に約1億円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁堺支部に起こした。監査法人や証券会社についても「十分な監査や審査をしなかった」などとして、連帯して支払うよう求めている。

ユー・エム・シー・エレクトロニクス 埼玉県上尾市の電子部品会社。1968年に前身の会社が設立された。2020年3月期の売上高は約1400億円。中国やベトナムなど海外に主力の工場がある。豊田自動織機など3社に計約44億円の増資を引き受けてもらう再建計画を、11月に公表した。

 同社は埼玉県に本社があり、自動車や産業機器の部品などを国内外の工場でつくる。従業員はグループ全体で約9千人(9月末)。東証1部に2016年に上場し、19年10月に新規上場前から不正な会計処理があったことを発表した。

 外部調査委員会によると、当時の副社長2人が主導して、中国などの海外拠点で利益の水増しなどを繰り返していた。創業家出身の当時の社長は、利益偏重でコンプライアンス意識の欠けた経営姿勢だったという。不正の発覚で19年3月期の純損益が黒字から大幅な赤字となり、純資産が約92億円減るなど経営が揺らいだ。

 東京証券取引所は虚偽の決算…

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