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 2017年の衆院選栃木2区で落選した元農林水産相の西川公也氏(77)が8日、内閣官房参与を辞任した。業者側から接待を受けた疑惑などが取り沙汰され、次期衆院選を控えた地元の有権者には失望が広がり、疑惑への説明を求める声は与野党から上がる。西川氏の長男で秘書を務めた県議の鎮央(やすお)氏(49)は10日、説明責任や出処進退について、「自分でよく考えて欲しい」と語った。

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 西川氏は2014年に農水相に就いたが、政治資金問題で約半年後に辞任。17年10月の衆院選で落選したものの、11月から内閣官房参与を務めていた。吉川貴盛・元農水相が鶏卵大手企業の前代表から500万円を受け取った疑いが浮上している中、西川氏は「一身上の都合」として参与を辞任。同社からの接待疑惑などが取り沙汰されている。

 10日昼、さくら市馬場の西川氏の地元事務所で西川氏の所在を尋ねると、女性が「私は留守番で何も分からない」と話した。事務所の隣の西川氏の自宅のインターホンを鳴らしたが、反応はなかった。

 栃木2区で西川氏に期待していた日光市の観光業者たちは「新型コロナウイルス禍の中で頼りにしていたのに残念だ」と失望を口々に語る。

 宿泊キャンセルの続出で経営者らが悲鳴を上げ始めた3月。西川氏は市内で自民党の参院議員や県議らと並び、鬼怒川・川治温泉の経営者ら約30人を「全力で皆様の支援に努力したい」と励ました。

 鬼怒川温泉のホテル経営者は「国会議員でなくても内閣官房参与という役職は大きい。すがる思いで期待した。いま、『Go To トラベル』もどうなるか分からないほどの正念場。そんな時に突如、説明もなく辞めて行方をくらますという姿勢に失望した。残念だ」と語った。(中野渉、梶山天)

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 「誤解のないように説明した方が良いのでは、と伝えた」。西川氏の長男で県議の鎮央氏は10日、記者団の取材に応じ、西川氏に進言したと明かした。西川氏から8日、電話で短く報告を受けたが、その内容は「あまり記憶にない」と明らかにしなかった。その後は連絡を取っておらず、西川氏の所在も不明という。

 「心配いただいた方、不快な思いをした方には、身内として申し訳ないと思っている」と語り、次期衆院選など西川氏の今後の対応については、「自分でよく考えて欲しい」と述べた。

 自民党の木村好文県連幹事長は「農政に通じ、力があったからこそ首相のそばにいることができた。極めて残念だ」。栃木2区は県内五つの小選挙区で唯一の自民空白区とあって、別の県連幹部は「西川さんでは戦えない。候補者を替えるしかない」と突き放した。

 西川氏の選挙戦を支えてきた公明党の山口恒夫県本部代表は「政治家の説明責任の重さは民間の社長の比ではない。次の衆院選に出ようが出るまいが公の場で説明すべきだ」と語った。

 野党・立憲民主党の松井正一県連幹事長は「地位利用が疑わしい。説明責任を果たすべきだ」と話した。(池田拓哉、津布楽洋一)

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