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 海から約300メートルの宮城県の災害危険区域。東日本大震災の津波で流され、今年の3月11日に再建法要をした徳泉寺(山元町高瀬)がある。本堂のそばにある「東日本大震災犠牲者供養塔」には時折、手を合わせに訪れる人もいる。

 震災10年を迎えるにあたり、朝日新聞に被災から再建までの歩みを投書した、住職の早坂文明さん(70)を訪ねた。

 「心」「徳」「愛」――。再建した本堂の中に入ると、本尊の釈迦像の周りに、漢字が1文字ずつ書かれた小さな杉板が、木の枠にはめ込まれて置かれている。およそ2千枚。その一枚一枚に、寺と被災地の復興を願う人々の思いが込められているという。

 早坂さんは、町内にある二つの寺の住職を兼務している。内陸にある徳本寺は無事だったが、徳泉寺は本堂が流された。

 2011年3月11日は、この徳泉寺で檀家(だんか)の集まりの日だった。後片付け中に激しく揺れた。すぐに檀家の1人がカーラジオをつけると、警報が流れた。「6メートルの津波がやってくる」。聞いたことがない数字に耳を疑ったが、檀家は散り散りに避難。早坂さんも徳本寺に戻った。

 次第に人々の安否が伝わってき…

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