町議の親族がPCR検査→議長辞職 議会内対立が原因?
奄美通信員・神田和明
鹿児島県の徳之島の伊仙町議会で8日以降、議長不在が続いている。町議会事務局によると、議長だった明石秀雄町議が同日開会の12月定例会冒頭で、親族がPCR検査を受けた町議が出席しているとして「(新型コロナの)感染リスクがあるままでの議会運営は難しい」などとして議長を辞職。後任を決める議長選が2回行われたが、いずれの当選者も就任を辞退し、そのまま流会となったためという。
事務局などによると、親族が検査を受けたとされる町議に対し、明石前議長は定例会を欠席するよう求めていた。1回目の議長選では2人が同数で、くじ引きで福留達也町議が当選者となったが「力不足」を理由に辞退。2回目も同様のくじで当選した樺山一町議が辞退した。定例会が流会となったため、予定の一般会計補正予算案など11議案が審議できず、大久保明町長は「今月中にも臨時議会を招集したい」とする。
町の複数の関係者は背景として、議会内の対立を指摘する。定数14のうち町長派と反町長派は7人ずつで、議長を出した方は採決で少数派になるという。(奄美通信員・神田和明)