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 バイデン次期米大統領は10日、閣僚級の高官である通商代表部(USTR)代表に、下院歳入委員会の法律顧問キャサリン・タイ氏をあてると発表した。タイ氏は、かつて世界貿易機関(WTO)を舞台に中国との紛争処理に当たった対中問題の専門家。両親が台湾出身だと台湾メディアが報じた。バイデン陣営によると、アジア系米国人、非白人女性として初めて通商代表を務める。

 政権の発足後、上院で承認されれば、ライトハイザー現通商代表を引き継いで中国や日本との通商交渉を担う。現在は、民主党が多数派を占める下院で通商問題を所管する「歳入委員会」の法律顧問を務める。

 トランプ大統領が2016年の大統領選で公約とした北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉は、結果的に上下院で超党派議員の賛成を集め、「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」として20年に発効した。

 タイ氏はこの間、議会と政権との調整に尽力した。バイデン政権の発足後も議会や共和党との連携が不可欠で、こうしたタイ氏の実績を評価した。

 バイデン氏は同日、ホワイトハウスの国内政策会議委員長に、スーザン・ライス元大統領補佐官(国家安全保障担当)をあてる人事も発表した。ライス氏は国務長官の候補として名前が挙がっていたが、2012年にリビア・ベンガジの米領事館を襲撃された事件をめぐる対応を共和党が批判していたため、上院で人事の承認が得られない可能性があった。国内政策会議委員長は上院の承認は必要ない。(ワシントン=青山直篤、園田耕司)