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 欧州連合(EU)は10日の首脳会議で、総額7500億ユーロ(約95兆円)の「復興基金」の設立を承認した。コロナ禍で打撃を受けた経済の再建に振り向ける。加盟国政府に権力の乱用があった場合に資金の配分を止める「法の支配」の条項をめぐって紛糾していたが、経済への悪影響を避けて折り合った。

 2021年から稼働させる基金の設置は7月に合意したものの、司法やメディアに圧力をかけていると問題視されるハンガリーとポーランドが土壇場で「拒否権」を発動。基金の主な使途に想定する地球温暖化対策にも響きかねなかった。

 「法の支配」の条項の適用に異論がある場合、EU司法裁判所の判断を求めることができ、その間は資金配分を受けられる余地が残る形にした模様だ。EU内の亀裂も回避した。EU首脳会議のミシェル常任議長(大統領に相当)はツイッターで合意を明らかにし、「経済の立て直しに着手できる」と記した。(ブリュッセル=青田秀樹)