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 新型コロナウイルスの感染拡大は人々の暮らしを大きく変えました。医療従事者、夜の街で働く人たち、インバウンドが消えたゲストハウス、東京五輪、パラリンピックが延期になった選手、厳しい状況の外国人留学生…。色々な立場の人たちを訪ね、コロナ禍に見舞われた「私たち」の2020年を伝えます。

拡大する写真・図版髪形を仕上げる中西紀美子さん。夕方から午後8時ころまで、出勤前のクラブのママたちが入れ替わり来店する=2020年11月27日午後7時28分、東京・歌舞伎町、藤原伸雄撮影

 東京・歌舞伎町の区役所通りに、創業40年の老舗美容室「backstage.AZ」がある。利用客の9割がクラブのママやホストだ。出勤前に通い、髪形を整えてから、「夜の街」に向かう。

 11月下旬、午後6時前から、出勤前のママたちが入れ替わり入店した。同店で約30年働く美容師・中西紀美子さん(60)は素早く華やかに髪形をまとめあげ、客からの信頼が厚い。中西さんは「出勤前のママは忙しい。早いだけじゃなく、崩れないように心がけている」と話す。

拡大する写真・図版会食前に来店した女性のヘアセットをする中西紀美子さん=2020年11月27日午後4時6分、東京・歌舞伎町、藤原伸雄撮影

拡大する写真・図版出勤前の女性のヘアセットをする中西紀美子さん。素早く華やかに仕上げ、「夜の街」で働く人々を支えている=2020年11月27日午後7時24分、東京・歌舞伎町、藤原伸雄撮影

拡大する写真・図版女性のヘアセットをする中西紀美子さん。素早く華やかに仕上げる技術力で、「夜の街」で働く人々を支えてきた=2020年11月27日午後4時7分、東京・歌舞伎町、藤原伸雄撮影

 仕上げる15分ほどの会話から街の不況が垣間見える。常連のママは「年末はかきいれ時だが、イベントができない。本当に苦しい」と嘆く。中西さんも「飲食店が自粛すれば、私たちにも影響がある。お客さんも私たちも我慢の1年でした」と苦笑した。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、4月ころから、客足が遠のき、売り上げはコロナ前の1割以下まで減った。同町でクラスター感染が発生しても、予約が1件でも入れば店を開け、営業を続けてきた。9月に入ってから、少しずつ街に活気が戻ったが、客足はコロナ前の半分以下だ。

 酒類を提供する飲食店とカラオケ店に対する東京都の営業時間の短縮要請は、来年1月11日まで続く。それでも、「お客さんがいる限り、満足して帰ってもらうだけ」と前を向く。店外のイルミネーションが年末の歌舞伎町を彩る。中西さんはいつも通り、これから出勤する客を見送った。「いってらっしゃいませ」。(藤原伸雄

拡大する写真・図版出勤前のホストの髪形を仕上げる中西紀美子さん。「ここにくると、なんだかホッとする」とホストの男性は話した=2020年11月27日午後3時26分、東京・歌舞伎町、藤原伸雄撮影

拡大する写真・図版出勤前の女性のヘアセットをする中西紀美子さん。=2020年11月27日午後7時29分、東京・歌舞伎町、藤原伸雄撮影

拡大する写真・図版店内には、常連客の髪飾りなどがキープしてある=2020年11月27日午後4時57分、東京・歌舞伎町、藤原伸雄撮影

拡大する写真・図版会食前の女性のヘアセットをする中西紀美子さん。夕方の店内は空席が目立つ=2020年11月27日午後4時9分、東京・歌舞伎町、藤原伸雄撮影

拡大する写真・図版「ありがとうございます。いってらっしゃい」。クラブのママを見送る中西紀美子さん=2020年11月27日午後7時42分、東京・歌舞伎町、藤原伸雄撮影

【動画】新型コロナウイルスが人々の生活の姿を変えた2020年。国内の動きを映像で振り返る