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 11日に開幕したバレーボールの全日本選手権ファイナルラウンドで、男子の中央大が最後の公式戦に挑んだ。部員やスタッフら約30人のうち20人が新型コロナウイルスに感染。全日本大学選手権(インカレ)の出場を断念していた。

 中大は1回戦でVリーグの強豪パナソニックに0―3で敗れた。それでも、選手たちの表情は明るかった。主将の土岐大陽(4年)は「試合ができたことが本当にうれしい」。

 11月半ば、コロナの感染が広がった。陽性者は2週間、病院に入院したり、ホテルで生活したりした。陰性者も寮内で隔離され、部屋から出られなかった。練習を再開した11月末、選手たちの体重は3キロほど落ち、ジャンプ力も衰えていたという。

拡大する写真・図版得点を挙げて喜ぶ中大

 新型コロナの影響で、春の関東リーグ戦や東日本インカレは中止になった。秋のリーグ戦の代替大会も途中で中止。そして、目標にしてきた全日本インカレは、開幕直前に部内の感染で出場できなくなった。

 都築仁(4年)は「急に出られなくなって。最初は信じられなかった」と振り返る。LINEやSNSで連絡を取りながら、切れそうな思いをつなぎ、今大会の出場にこぎつけた。「今できる最高のプレーをすること」を目標に掲げた。「この環境に感謝して思い切りやろう、と。結果はどうであれ、楽しくやれたらいい」。

 最後の試合は、ストレート負けの完敗だった。それでも、得点するたび、笑顔がはじけた。主将の土岐は「後輩たちに試合をかみしめながらやるように、背中で見せたかった」と言う。目標は達成できた。

 豊田昇平監督は試合後、しみじみ言った。「やれる喜びを感じ、感謝の気持ちを持って、ひたむきに戦う姿勢をみせてくれた。バレーボールっていいな」(木村健一)

拡大する写真・図版敗れて引き上げる中大