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 来春の第93回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の21世紀枠の全国9地区の候補校が11日、発表された。秋季大会の成績や学校の特色、地域への貢献度などを考慮し、来年1月29日にある選考委員会で、この中から21世紀枠での出場3校を決める。富山北部・水橋は、富山北部と水橋、両校を再編統合して今年4月に開校した富山北部の3校の連合。連合チームが候補校に挙がったのは初めて。

 選考委では、東日本(北海道、東北、関東・東京、北信越、東海)と西日本(近畿、中国、四国、九州)から1校ずつ選び、もう1校は地域を限らずに選ぶ。候補校は次の通り。

 ▽北海道 知内(しりうち)▽東北 八戸西(青森)▽関東・東京 石橋(栃木)▽北信越 富山北部・水橋(富山)▽東海 三島南(静岡)▽近畿 東播磨(兵庫)▽中国 矢上(やかみ)(島根)▽四国 川之石(愛媛)▽九州 具志川商(沖縄)

 逆境をはねのけ、高校球児の夢舞台へ――。来春の第93回選抜大会の21世紀枠の全国9地区の候補チームが11日、発表された。近畿地区で候補になった東播磨(兵庫)は、コロナ禍で一斉休校となった期間の取り組みが評価された。

 加古川北を2度甲子園に導き、母校でもある東播磨を2014年春から率いる福村順一監督(48)は、「直接指導できないこの期間に、今まで以上に深く野球を伝えることができた」と振り返る。

 4月上旬、自身が手本となって副部長とともに走塁、守備、打撃の注意点をまとめた動画を作った。選手にLINEで送り、公園や空き地で実践するよう指示。黒板を使った座学やミーティングも動画サイトを使って積極的に配信した。選手からも評判は上々で、主将の原正宗は「面と向かって言いづらいことでもSNS上だと、相談しやすいこともあった」。

 この取り組みが選考過程で評価された。「ZoomやLINEなどのSNSを駆使し、選手と指導者が一体となって高校野球を追究する姿勢は、今後の高校野球における新しい指導スタイルの確立につながる」

 新チーム発足後を見据えた準備も早かった。5月20日に夏の選手権大会の中止が決まると、福村監督は2年の原を新主将に指名。エース候補だった鈴木悠仁を独自大会の登録メンバーから外し、「秋」に向けて投げ込ませた。右腕は数カ月で球速が10キロ近く上がり、最速139キロに。秋の県大会準優勝の立役者となった。

 1日2時間ほどしかない普段の練習も時間を有効に使う。昼休みには打撃練習の準備をしておき、放課後はウォーミングアップがわりに校舎からグラウンドまでダッシュ。フリー打撃も短時間で終わらせる。他部が活動を始めた後はグラウンドに背を向けて、バックネットに球を打つ。原は「短い時間だからこそ、1球1球に集中して取り組んでいます」。

 甲子園に近づいたという知らせが届いても、選手たちに浮かれる様子はなかったという。福村監督は「一安心だが、まだ決まったわけではない。近畿の代表として責任感を持って練習に取り組みたい」と話した。(山口裕起)