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 議長人事が決まらず、議案の審議どころではない――。そんな事態が、京都府大山崎町議会で2カ月近く続いている。栄誉ある議長ポストの奪い合いではなく、逆に、誰もやりたくないからだ。町政停滞の懸念をよそに、いったい何が起きているのか。(山崎琢也)

 11月26日の町議会。23ある案件の5番目の「議長辞職の件」にさしかかった時だった。

 「職務を控える」

 渋谷進議長(70)=共産党=が突如そう宣言すると、議会は休会となった。再開を目指して全員協議会を繰り返したが結論は出ないまま。本会議はいまだ開かれず、議案も提出されないまま、たなざらし状態になっている。

 議長辞職は、10月の臨時議会で議長自ら申し出ていた。その議長が辞職案の協議どころか議会を機能停止に追い込んだのは、反対されて辞職できないことが明らかだったからだ。

 どういうことか。

 いまの議員12人は、2018年の選挙で選ばれた。同日実施の町長選で前川光町長を支持した共産党などの6人が「町長与党」、前川氏の対立候補を推した側の6人が「野党」と、勢力が拮抗(きっこう)した構図になった。この中から選ばれる議長は中立的な立場として採決には加わらない。つまり、議長を出した側は不利になってしまうのだ。

 実際、与党側の渋谷氏が議長を務めてきた過去2年間は、一般会計予算案が否決の上で修正されたり、町長に対する問責決議が野党の賛成多数で可決されたりしてきた。同様に、議長辞職の件も、野党の自民党系会派「大山崎クラブ」などが異議を唱えている。

 こうなることが分かっていたはずの与党側があえて議長を出したのは、「50年以上つづく町議会の慣例」で、議長は2年交代とされてきたからだという。

 町議会事務局の担当者も「2年で辞職しなかった議長はいない。4年やった議長もいたが、2年で一度辞めて、改めて選ばれる手続きを踏んでいた」と慣例の存在を裏付けた。

 長年の慣例を破った野党を、与党側は「何の説明もなく、いきなり慣例を改めるのは認められない」と批判し、辞職を認めるよう求めている。だが、大山崎クの議員らは「地方自治法で議長は任期4年と決まっている」と反論している。

 「これでは子どものけんか以下だ」と嘆く議員もいるが、議論は平行線のままだ。

議会での対立、学校にも影響

 激しい与野党対立は、子どもたちにも影響を及ぼしている。学校の補修工事に必要な予算が認められないからだ。

 町に2校ある町立小学校はいず…

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