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 爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤の成分が混入した問題で、製造した小林化工(福井県あわら市)は11日、服用して入院中の1人が10日に死亡したと発表した。性別や年齢などについては現時点で公表できないとしている。同社によると、1錠に混入した睡眠導入剤の成分は5ミリグラムで、通常の睡眠導入剤の最大投与量の2・5倍にあたるという。

 また同社が厚生労働省から承認された製造手順に反し、製造過程で目減りした成分を補充したことが、県への取材でわかった。その際、誤って睡眠導入剤を入れる二重のミスをしたという。県は医薬品医療機器法違反の可能性があるとみて調査している。

 同社は11日、混入した錠剤を処方された患者数が364人とし、すべて特定して服用中止を求める連絡を終えたと発表した。県によると、健康被害を訴える人は20人増えて計133人(10日時点)となった。

 県によれば、薬の製造過程で薬の成分の粒子の大きさをそろえたり乾燥させたりする工程がある。各工程で成分を別容器に移し替える際、すべてを移し切れず成分が減ることがある。今回問題となった同社の治療薬イトラコナゾール錠50「MEEK」の製造過程で減った分を補うことは国が承認した製造手順に反するが、同社は補充しようとし、誤って睡眠導入剤の成分を混入させたという。

 県によると、健康被害を訴える133人のうち入院が確認されたのは34人(退院者を含む)。服用の影響とみられる交通事故は2件増えて計16件。今回判明した死者は交通事故を原因とする人ではないという。

 被害が報告されているのはロット番号T0EG08の薬で、929箱が9~12月に出荷された。処方された364人が薬を受け取った薬局などの所在地は全国31都道府県。大阪が最多の58人、続いて徳島57人、岐阜49人、東京35人、愛知28人、佐賀23人などだった。

 死者が出たことに対し、同社は「極めて重く受け止め、心より深くおわび申し上げます」とのコメントを出した。死亡と服用の因果関係については調査するという。(佐藤孝之、平野尚紀)