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 性や国籍、障害の有無など、色々な多様性を知ってもらうための本や資料を集めたスペースが富山大学(富山市五福)の一室にオープンした。啓発活動を続ける同大の林夏生准教授(50)=国際関係論=が「違いを理由に誰かを排除しないコミュニティーづくりのきっかけに」と開設した。場所は非公開で、利用者のプライバシーを守る。

 11月にオープンした「多様性ライブラリ」には、林さんが集めた性の多様性に関する本や漫画、絵本など約500種類が並ぶ。ソファを置き、セルフサービスの飲み物も用意して気楽に過ごせる雰囲気を整えた。

 安心して利用できるよう、スタッフは本人が望む呼び名だけを聞き、プライベートな情報には触れない。「無理に話さなくてもいい。多様性に寛容な人がいて、安心できる場だと思ってもらいたい」と林さん。

 数年前から、学内などで性の多様性について語り合うイベント「やわカフェ」を開いてきた。ある時、会場に置いた本を夢中で読む参加者の姿が目にとまった。「知りたかったことを説明してくれる本に会えた」。そんな言葉を聞き、資料を集め、気軽に手に取ってもらえる場が身近に必要だと感じた。

 特に、性的少数者が生きづらさを感じる地方では、プライバシーを守る意味でも、大学に「居場所」をつくる意義は大きいと考えた。まずは、性の多様性の問題に関心を持つ学生、教職を目指す学生、学校の先生らに使ってもらい、さらに、性的少数者の若者が立ち寄れるようになれば、と願う。「なぜつらいのかが分からない時に、多くの人の経験が詰まった本に触れることで救われることがある。自分の悩みや苦しみの根本を捉える場になれば」

 国籍や障害などに関する資料も充実させ、「性の問題に限らず、色んな多様性に思いをはせて、自分の生き方を考えられる場所にしていきたい」。今後、交流会のようなイベントも開きたいという。

 ライブラリは毎月、利用日を設ける。12月は17日午後3時~午後6時半。希望者は、同大五福キャンパス人文学部棟4階411号室を訪ねれば、案内してもらえる。利用は無料。問い合わせは専用フォーム(http://www.diversitylounge.jp/contact_us/別ウインドウで開きます)から。(竹田和博)

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