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 爪水虫などに効く飲み薬に睡眠導入剤の成分が混入した問題で、製造した小林化工(福井県あわら市)は11日夜、服用後に入院していた1人が10日に死亡したと発表した。同社によると、1錠に混入した同剤の成分は5ミリグラムで、通常の最大投与量の2・5倍にあたる。出荷前の品質検査で混入に気づけなかったとしている。

 死亡者が出たことに対し、同社は「極めて重く受け止め、深くおわび申し上げます」とのコメントを出した。今後、死亡と服用の因果関係を調査する。

 県によると、10日時点で133人が健康被害を訴え、入院が確認されたのは34人(退院者を含む)。服用の影響とみられる交通事故は16件。死亡者は交通事故を原因とする人ではないという。

 問題の薬はイトラコナゾール錠50「MEEK」。同社によれば、健康被害の報告がある6、7月製造のロット番号T0EG08の製品(100錠入り929箱)について、出荷前の7月に社内で厚生労働省令に基づくロットごとのサンプル検査を実施。有効成分の含有量や成分が溶け出すかなどを調べたが、混入を見抜けなかった。

 県は9日、立ち入り調査で従業員からの聞き取りや検査記録を確認したところ、7月の検査で「合格」したことになっており検査方法に問題がなかったかどうかを調べている。929箱は9~12月に出荷され、31都道府県の医療機関などで364人に処方された。

 小林化工の小林広幸社長は12日、報道陣の取材に、服用後、入院先で10日の1人の死亡が確認されたことに対し「ご冥福をお祈り申し上げます。責任の重大さを感じています」と謝罪した。

 小林社長らはまた、10日に死亡した人は首都圏で入院中だった70代の女性であることを明らかにした。今後、第三者によって原因究明を進め、再発防止に努める考えだと述べた。(平野尚紀)