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(記者解説)吉岡桂子・新宅あゆみ

 日本、中国、韓国などと東南アジア諸国連合(ASEAN)が11月、「地域的包括的経済連携(RCEP(アールセップ))」に合意した。互いに関税を下げたりルールを共有したりして、すでに広がるサプライチェーン(供給の流れ)を効率化させ、貿易や投資の環境を安定させる効果が期待されている。

 日本はこれまで中国、韓国との間では自由貿易協定(FTA)がなかった。領土や歴史の問題で関係が不安定になりがちな両国を含んで協定を結べたことに、日本にとってのRCEPの意義がある。

 特に最大の貿易相手である中国は、途上国の立場を主張して高い関税をかけていただけに、時間はかかっても関税を下げられる点に実利がある。米国への配慮もあって中国との二国間協定の交渉を避けてきた日本には、ASEANを中心とする多国間の枠組みが生きる形となった。

突出する中国の経済規模

 人口、国内総生産(GDP)、貿易額とも世界の約3割を占めるメガFTAとはいえ、内訳をみると中国の規模が突出し、ほぼすべての国に対して最大の貿易相手だ。今回の合意に至るアジアの自由貿易圏をめぐる交渉自体が、台頭する中国に対して地域がいかに向き合うかを模索する過程だった。そこに影響を与えていたのが、ほかならぬ日中関係の曲折だ。

 21世紀初頭は地域で政治的な…

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