【動画】報道陣の取材に応じ、謝罪する小林化工の小林広幸社長ら=大西明梨撮影
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 爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤の成分が混入していた問題で、製造した小林化工(福井県あわら市)は12日、報道陣に対し、服用した首都圏で入院中の70代の女性が10日に死亡したと発表し、小林広幸社長が「重大な過失をおかし、責任の重大さを痛感している」と謝罪した。

 また同社は、睡眠導入剤の成分を保管した容器は、水虫薬の成分を入れた容器とは形状も材質も、大きく異なっていることを明らかにした。「取り違えることのないレベルの取り違え」として今後、第三者を交えて原因究明を進め、再発防止に努めたいとした。

 同社の説明では、水虫薬の主成分はドラム缶のような形の高さ1メートル弱の紙容器で保管する一方、睡眠導入剤成分は平たい缶に入れられ、容器には成分名も書かれている。保管場所からの取り出しや調合などをする際、社内規定では作業員が2人1組でする決まりだが1人になった時間帯があったとし、同社はその時間帯に混入が起きたとの見方を示した。県は9日、立ち入り調査に入り、医薬品医療機器法違反の可能性があるとみて調査している。

 同社によれば、問題の薬イトラコナゾール錠50「MEEK」の出荷をめぐって、同社は健康被害の報告がある6、7月製造のロット番号T0EG08の製品を、出荷前の7月に社内で厚生労働省令に基づくロットごとのサンプル検査を実施。有効成分の含有量などを調べたが、混入を見抜けなかったという。

 小林社長は、問題の薬が特許が切れた薬と同じ成分を厚生労働省の承認を得て販売するジェネリック医薬品だった点について「ジェネリック医薬品の信頼度にも大きな影響を与えてしまった」と話した。健康被害を訴える人らに対する補償の意向も示した。

 同社によると、11日時点で健康被害を訴える人は1人増え計134人。服用の影響とみられる交通事故は重複があったとして1件減って計15件に修正した。(平野尚紀、大西明梨)